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住まいのコラム
免震システムの今を追う

ツーバイフォー耐震性を実感

免震システムを装着した
状態での実験結果
免震システムを装着した
テーブルの上の一輪ざしやワイングラスさえ倒れず、全ての家具に一切の影響がない
 
免震システムを装着していない
状態での実験結果
免震システムを装着していない
家具が転倒しテーブルの上の食器類も落下

1995年の阪神・淡路大震災後に行ったツーバイフォー協会の調査によると、被災地のツーバイフォー住宅のうち、96・8%が補修をしなくても居住可能な状態であることが判明。メーカーやビルダーの支店・本社等には、「ツーバイフォーで本当に良かった」という数多くの声が寄せられた。まずはそのいくつかを紹介しよう。


「ツーバイフォー住宅に助けられました。左右両隣の住宅は一瞬にして倒壊。我が家は多少のクラックが入っただけですみました。このあたり一帯は火災にもあい、焼け野原ですが、我が家を含め5軒ほど残っています。聞けば全てツーバイフォーとのこと。ツーバイフォーの強さを身をもって体験しました。家や家族を失った方々に申し訳ないほどです」

「近所の建物はほぼ全てが倒壊。両隣は我が家に寄りかかるように倒れていました。なのに我が家は無傷。ガスがなかなか復旧せず、我が家の火をおこせる暖炉を使って、炊き出しをしました。我が家はさながらベースキャンプのようでした」

「地震発生とともに隣家から火災が起こり、あっという間にひろがりました。私の家は唯一、火災発生から5時間は残っていたため、家財や思い出の品を運び出せました。ツーバイフォーの耐火性・耐震性を実感しました」

「ツーバイフォーの耐火・耐震性訴求のキャッチフレーズはその通りでした。震度7を経験した住宅がどんな状態になっているか、貴重な資料をご提供できると思いますので、技術者の方が拙宅をチェックされたらいかがかと考えます」

「今回の地震では親の住む地域は大変な被害を受けましたが、両親の住まいはツーバイフォーだったために無事でした。本当にツーバイフォーにして良かった。大変嬉しく思い、東京のツーバイフォーのモデルハウスにお電話させていただきました」


このほかにも、被害の大きかった地域に建つ築70年のツーバイフォー住宅が、外壁に若干のクラックが入りドアが開きにくくなった程度で、構造上なんの問題もなかった、など驚異的な報告もあった。また、担当者からは、日々入ってくるお客様からの感謝の声に、ツーバイフォー住宅を販売することで「安全・安心を売る」という社会的意義のある仕事をしているのだと実感した、という感動の声も聞かれた。


さらに「家財を守るツーバイフォー」を

さて、他の工法と比較して耐震性が高いツーバイフォー工法だが、さらに詳細な調査を通じて、「大震災時には、構造躯体に優れた耐震性があっても、家具の転倒や食器などの飛散による2次災害が避けられない」ということも確認された。つまり阪神・淡路大震災級の大地震では、建物は大丈夫でも、家具などが倒れ、食器が割れるといった被害が出てしまう(ただし他の工法の場合と比較すると被害率は極めて軽微)というわけだ。そこで、ツーバイフォー工法の優れた耐震性をさらに発展させ「地震の力を建物に伝えない技術」として、住宅用免震システムの開発にも、にわかに注目が集まっている。

「一般に免震工法は積層ゴムを用いたシステムが主流です。しかし、このタイプで免震効果を得るには、ある程度の建物の重量が必要で、ビルやマンションに比べて軽量な戸建て住宅には不向きでした。当社が鹿島建設と共同開発した『ボールベアリング支承』を基幹技術とする免震システムは、重量が軽い木造でも効果があり、戸建て住宅に最も適していると考えられます」と語るのは、三井ホーム(株)技術統括本部の太田啓明さん。

「ボールベアリング支承」は、すり鉢状の受け皿とボールベアリングで構成されており、地震時には、ボールベアリングが受け皿を転がって水平方向の地震力を低減させる。地震がおさまると、重力によりボールベアリングは自然にすり鉢の受け皿の中央に戻る、というもの。また、建物と基礎の間に設置した「オイルダンパー」が、油圧式ショックアブソーバーとして地震による建物の揺れを減衰させる役割を果たしている。


免震システム概念図

▲免震システム概念図


ツーバイフォーだからこそ優れた免震効果を発揮

昨年4月に三井ホームは、実物大のツーバイフォー住宅を使った振動実験を行った。この実験では、阪神・淡路大震災で観測された地震波を再現。家具の固定や耐震ラッチが施されていない状態では、家具が倒れ、中身が散乱するという結果となったが、免震システムを装着した実験では、建物自体はビクともせず、家具はおろか、卓上の一輪挿しやワイングラスにも転倒はみられなかった。

ちなみに、この実験では併せて、免震システムを装着していない同じツーバイフォー住宅に、同程度の地震波を2日間にわたりのべ12回入力したところ、過酷な実験にもかかわらず、建物自体には一切の損傷がなかった。

また、こうした実験では、建物の2階部分の揺れは1階の約2倍になることもあると言われているが、同社の実験では、2階の揺れは1階の約1.2倍にとどまった。

同社の免震システムは、2003年4月にツーバイフォー工法としては国内ではじめて、国土交通大臣のシステム認定を取得。マンションなど高層建築物において、免震技術の導入がかなり普及して、戸建住宅にもニーズが高まってきた。耐震性に優れたツーバイフォーに、さらなる安心を、ということで免震システムの装着を考えるユーザーも増えてくる可能性がある。


(2004年3月)


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