ヘッダーバー

ホーム住まいのコラム> 特集 再び関心を集める二世帯住宅

住まいのコラム

特集 再び関心を集める二世帯住宅

なぜ、再び、二世帯住宅が注目されているのでしょうか

二世帯住宅がトレンドになるのは、これまでに何度かありました。その社会背景を見つめると、

などが挙げられます。そして今、また、二世帯住宅に関心が寄せられています。時代に応える二世帯住宅について考えてみたいと思います。

私たちは、2011年の世界を震撼させる大災害を体験し、人とのつながりの重要さを再認識しました。近年、地域や他人との関係が希薄になってきたと、多くの人が感じていましたが、今、とくに若い世代は、失われつあった関係を取り戻そうという意識から、同居やシェアへ関心を寄せています。

親世帯と一緒に暮らす二世帯住宅への関心度を調べてみると、住宅購入検討者のうち約6割の人が二世帯住宅に「興味がある」と答え、なかでも「検討したい」と答えた20代が46%もいるという調査結果もあります。興味をもったきっかけでもっとも多かったのは「家族のつながりを意識するようになった」ということです。

実際に、二世帯住宅で得られたことは何でしょうか

昨年、二世帯住宅の居住者に聞いた調査から、同居したきっかけや同居していることの良い点についてどんなことを挙げているか、ご紹介しましょう。

同居したきっかけの理由でいちばん多いのが「親の老後のことを考えて」が40.8%。次に「親世帯からの希望」が挙げられ、「安心・安全を得られるから」というのが3位。実際に、家族のつながりを重要視し、「安心」を求めて、多くの人が二世帯住宅を選択したようです。そして今後、二世帯住宅をとおして子供たちや、将来は孫にも、お金では買えない本当の豊かさを伝えていくことができるのではないでしょうか。

では、同居していることの良い点として挙げていることは何でしょう。1位が「経済的で合理的」53.4%。2位以降は「生活面で助けあえる」52.6%、「万一のときに安心」49.4%、「親の健康状態の把握」45.4%、「子育てのサポート」35.8%。このように一緒に暮らすことのメリットは経済面から精神面、利便性まで多岐にわたっています。また、子世帯が親世帯を、親世帯が子世帯を気遣い、思いやる気持ちの結果だと読み取れることに、これからの二世帯住宅の価値を感じます。

二世帯住宅の居住者に聞いた調査結果

データ提供:株式会社東急住生活研究所

多様化する各世帯の家族構成に応じた設計が求められます

ツーバイフォー住宅は長生き住宅二世帯住宅に適します
画像をクリックすると
拡大表示します。

アンケート結果から、二世帯住宅の利点を見てきましたが、習慣や感覚の異なる親世帯と子世帯の同居には困難な点も多々あります。今、二世帯住宅の需要が高まっているのは、二世帯住宅の設計のレベルが上がり、同居のデメリットを超える力をもち得てきたといえるでしょう。

まず、各世帯の家族構成ですが、現在、変化が見られます。以前は親世帯(夫婦)+子世帯(長男夫婦+子供)が一般的でしたが、子世帯は娘夫婦の家族が増え、親世帯は片親のケースが多くなっています。

また、親世帯には夫婦や片親だけでなく、子世帯とは兄弟姉妹の血縁関係にある単身者がいるケースも増えているようです。未婚の人や離婚した人などシングルの人が実家で暮らすパターン。こうした人が加わることは、建築費や生活費を分担できたり、家事や介護も助け合えるという利点があります。

そうした構成の違いによっても、親世帯と子世帯の生活空間の分け方が変わります。生活スペースを完全に分ける分離型は、上下階か左右で分ける方法がありますが、いずれも音対策のため、親世帯の寝室の近くに子世帯の水廻りや子供室を配置しないプランとします。親世帯と子世帯の両方が使用するスペースをもつタイプが共用型。なるべく滞在時間が少ない空間を共用スペースにするのがよく、一般的には1玄関、2浴室、3キッチンという順で共用スペースは決められているようです。夫婦やシングルの人にとって、充実したプライベート空間を備えることが望まれています。

二世帯住宅に有利な資金計画を立てます

資金計画については、親の土地を担保に、子世帯が融資を受けるというのが、もっとも多いケースです。親がまだ現役の場合は、両方が借入れをするケースもあり、区分登記を前提として、完全分離型にした場合、建築基準法上は「長屋」「共同住宅」という扱いで、2戸の住宅と見なされます。

気になる税金関係については、二世帯住宅の場合、区分登記だけでなく共有登記の場合でも、各世帯の床面積が50m2以上あり、親と子が別々に10年以上の住宅ローンを利用すれば、それぞれに住宅ローン控除が受けられます。また、2戸の住宅と認められれば、不動産取得税の軽減や建物の固定資産税の軽減もそれぞれに適用されます。最近、税制に注視する人たちが多く、来年4月の消費税のアップを見込んで、家づくり計画を検討しはじめる動きが見られます。

ツーバイフォー工法なら3階建て、4階建ての二世帯住宅も可能です

敷地が限られた都市部において、二世帯住宅を建てる場合、3階、4階建てにする方法がとられます。上下階の移動をサポートするエレベーターの設置を求められますが、親世帯、子世帯スペースをフロアごとに分離できるというプランニングの利点があります。商業地域や都市の居住地区など準防火地域や防火地域でもツーバイフォー工法なら、3階建てにすることができます。また、耐火構造とすることで、4階建ても可能です。

一般社団法人 日本ツーバイフォー建築協会会報誌「ツーバイフォー」
Vol.197 2013年春号からの転載記事です。
(2013年4月1日掲載)


前のページへ

ページの先頭へ