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健康長寿社会に向けての住まいの高断熱化

いくつになっても健康で、介護を必要としない生活を送りたいと、誰もが願う「健康長寿社会」は、将来の日本社会のあるべき姿として、国の成長戦略の1つに掲げられています。
生涯にわたって元気で活動的に暮らすために、住宅が果たす役割は大きく、「高断熱化」が重要なキーポイントになります。

健康寿命を伸ばす住宅づくりが必要です。

健康寿命という言葉をご存じですか。自立した生活が送れる年数のことで、平均寿命から介護の必要な期間を差し引いた数が健康寿命になります。2010年の厚生労働省の統計によると、男性の健康寿命は約71歳、女性の健康寿命は約74歳(図1)。

図1 平均寿命と健康寿命の差(平成22年)

平均寿命と健康寿命の差を短縮することができれば、高齢者の生活の質を低下させることなく、また、国の社会保障負担の軽減にも貢献できます。
健康長寿社会を築くためには、健康寿命を伸ばすこと、そしてそのための住宅づくりが必要です。

家の中で温度差が少ない住宅は健康寿命を伸ばします。

冬、寒い家はヒートショックを招く

高齢者に多い浴室での急死事故は冬に多く、室温と関連することが分かっています(図2)。

図2 入浴中急死者と気温との関係(東京都監察医務院・気象庁、平成17年)

冬、寒い脱衣室・浴室に入ったり熱いお湯に浸かった直後は血管が収縮して血圧が上昇しやすく、浴槽から立ち上がったときは血圧が大きく下降しやすいなど急激な血圧変化により、ヒートショック(健康被害)が起きやすくなります。
また、暖房の効いた暖かい部屋から室温が10℃以下の寒い廊下に出たり、就寝中、温かい布団から出てトイレに行ったときにも、寒さで血圧が急上昇することがあります。

夏、暑い家は熱中症を引き起こす

人間の身体は、平常時は体温が上がっても発汗や皮膚温度の上昇により熱を逃がし、自然と体温調整が行えるようになっています。
しかし、猛暑日、暑い家の中では、体内の水分量が少ない高齢者は汗をかきにくいため体温が上昇しやすく、また暑さに鈍感になるため、熱中症を引き起こす可能性が高まります(図3)。

図3 熱中症の発生場所別割合(平成26年)

温度差が少ない家では活動量が多い

家中の温度差が少ないと、身体をよく動かし健康に良いといわれています。暖房機器を使って部屋全体を暖めた温熱環境と、こたつなどの部分暖房で温度差のある温熱環境をつくり、ライフコーダー(生活習慣記録器)で高齢者の運動強度(歩行以上の活動)を計測した実験によると、部屋全体が暖かいほうが活動量は多いという結果が出ています(図4)。

図4 暖房方式と活動量(平成17年暖房実態調査、高齢者15人)

身体を動かすことが面倒にならない温熱環境が高齢者の元気な肉体をつくる要素となっているわけです。

夏涼しく冬暖かく1年中、家中の温度差が少ない住宅は、「高断熱化」により実現できます。断熱性の高い住宅で暮らすことによってアレルギー性鼻炎や気管支喘息、手足の冷えなどが改善されたという調査例もあります(図5)。住まいの高断熱化が健康寿命を伸ばすといってもいいのではないでしょうか。

図5 断熱グレードと各症状の改善率(新築戸建てに転居した全国2万人への調査)

断熱・気密性に優れたツーバイフォー工法は「健康長寿社会」に
対応できる住まいです。

「高断熱化」を施しやすいツーバイフォー住宅は、国が目指す「健康長寿社会」に対応できる工法です。
ツーバイフォー工法は枠組材に構造用面材を貼った大壁構造のため、枠組材の間に空気層ができ、そこに断熱材の充填が可能なので、構造体自体を断熱化しやすい(図6)という利点をもっています。

図6 断熱材の性能を最大限に引き出せる構造体

また、床版・壁を組み立てるツーバイフォー工法自体が気密性を確保できる(図7)という点でも、基本性能として、もともと優れた断熱・気密性を兼ね備えているのです。

図7 気密施工に向いたツーバイフォー工法