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岩手・矢巾の家

第4回サステナブル住宅賞
社団法人日本ツーバイフォー建築協会会長賞受賞(新築部門)
設計・施工 株式会社 大共ホーム

設計の概要


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サステナブルな住宅にするために配慮・工夫した事項

(1)住宅の長寿命化

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▲蓄熱層の温水パイプ

 

(2)省エネルギー


▲窓(Q=0.8の温度状態)

@断熱性能・気密性能(注:Q値〜熱損失係数、U値〜熱還流率)
省エネルギー基準の地域区分(U)
建物全体のQ値:0.62 W/(u・K)
屋根又は天井の断熱仕様[吹込グラスウール:厚さ500mm、U値:0.1W/(u・K)]
基礎又は土間の断熱仕様[ポリスチレン:厚さ基礎150mm 土間100mm壁、U値:0.24土間0.09W/(u・K)]
外壁の断熱仕様[フェノール・GW・EPS:厚さ50+140+50+8mm、U値:1.1W/(u・K)]
開口部サッシの仕様[材質:木製:厚さ78mm(中空タイプ)、U値:0.98W/(u・K)]
開口部ガラスの仕様[種類:三層2Low-E.ar、厚さ:44mm、U値:0.6W/(u・K)]
開口部ドアの仕様[材質:木製、U値:1.8W/(u・K)]
気密層の構成:遮熱・断熱効果を有するアルミシート厚さ0.8mm

A設備機器
暖房方式:全室暖房
暖房システム:給湯器余剰熱床放熱システム(現未接続)、熱源:電力
冷房システム:現在は使用していない。電源のみ確保。
給湯方式:貯湯式ヒートポンプ給湯器(エコキュート)熱源:電力
換気システム:第1種機械換気

B自然エネルギー利用の工夫
ダイレクトゲイン方式の日射熱利用をメインとし、コンクリート蓄熱層を1・2階の床面に設けた。


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(3)省資源・資源循環


(4)その他の工夫



 

電力などによる冷暖房や除湿加湿は行っておらず、エネルギーを室内環境維持に特別には利用していない。それにもかかわらず本住宅の室内環境は、非常に快適である。


建築までの経緯

平成20年に大阪から岩手県に転勤し、-10℃を超える寒さを初めて体験した。本住宅建設以前に入居した賃貸住宅は、冬期にはシャワーからのしずくが早朝につららとなり凍結するなど断熱構造が不十分と思われ、また暖房による過乾燥が著しかった(湿度30%前後)。生後16ヶ月の長男は風邪をこじらせ肺炎となり、医師から住環境の悪さを指摘され入院する羽目に陥った。計画にあたっては調湿性のある珪藻土の塗り壁をほとんどの壁面に、さらに調湿性の大きいエコカラットを一部に利用することとした。


温 度

本書類作成時の盛岡の一日の気温は最低10℃、最高23℃くらいである。一方、室内の温度計は換気のため窓が数ヶ所細めに開いた状態でも、一定して22℃であり、起床時にも全く寒さは感じない。朝、外出の際に外気が寒いことを初めて感じる状況であり、非常に快適である。


湿 度

室内の湿度は、換気のために窓を数ヶ所細めに開けた状態の時もあったが、塗り壁の調湿効果のためか、一貫して50〜60%であった。その期間の天候は、雨の日もあれば、快晴で外出時には乾燥している日もあり、外部の湿度変化は大きかったと思われる。それでも起床時に、のどが乾燥のため痛くなることもなく、肌もかさつかず快適である。

また、洗濯物を室内に干した際には、雨の日でも洗濯物が乾き、一方、晴れの日でもぱりっとなるほどには乾かず、室内の湿度測定値を裏付ける結果となった。


臭 気

周辺には養豚場があり、すこぶる悪臭が漂う時間帯がある。上記の賃貸住宅に入居時には窓を閉め切ることで対応していた。入居後、窓を開けたまま過ごしても悪臭のことはすっかり忘れていたのだが、あるとき外出すると外の空気は非常に臭いことに気づいた。一方、住宅に戻ると窓を細く開けているにもかかわらず悪臭はほとんど無い。

今のところ、悪臭除去の効果が珪藻土塗り壁によるのか、エコカラット施工にあるのかは不明であるが、湿度調節の目的で設置した設備が不快臭をこれほど除去したのは予想外であり、期待以上の快適さがもたらされた。


その他の工夫

冬の寒さ(外気温-10℃)はまだ未体験であるが、断熱に優れるため風呂の残り湯程度の熱量で室内温度を2℃ほど上昇させることができるそうである。しかし湯船自体が熱を伝えにくく蓋を開けておけば結露が心配である。そこで風呂の残り湯を洗濯機に用い、付け置き洗い状態で一晩放置することで熱を逃がし室内を暖めることを、省エネルギー的行動として実践している。

わが家には専用の熱源を持った暖房装置は設置していない。一方、エコキュートから床下内を広く回り洗濯機へと接続した配管を設置する予定である。この設備により、洗濯をするたびに床下に温水が巡り室内の暖房効果が得られる。簡易で省エネ的であると考えている。

夏の暑さ対策は岩手県ではあまり行われていないようであるが、我家では、日差しを遮るためにオーニングの取り付けや落葉性高木の植樹を行い、景観的にも周囲に配慮したいと考えている。




▲CASBEEすまい【戸建】評価結果

 

 

(2011年3月1日掲載)

 

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