一般社団法人 日本ツーバイフォー建築協会

vol.8「インナーテラス」 都会の夜景を一望するラグジュアリーな空間

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20年前、ツーバイフォー工法で正3階建が可能になり、初めて3階建の現場に行ったときのこと。2階から3階へ上がると窓外の風景が一変し、一挙に眺望が開けた。そのときの感動をいまでもよく覚えている。都市の住まいにおいては、2階建では必要な部屋数を確保するのが精一杯。暮らしにゆとりをもたらす空間をつくろうとするならば、3階建が有効な手段であるのは自明の理だ。この住まいでは、3階にインナーテラスを設け、暮らしを豊かにする上質な空間を創り出している。外に続くアウターテラスには植栽を施し、開口部に大きく開く大型サッシを採用、床を外部までデッキ材で仕上げることで一体感を高めている。ソファは外に向けて配し、存分に眺望を楽しめるようにしている。イメージしたのは、マンハッタンの高層ビルのペントハウス。あるいは、シティホテルの最上階のスカイラウンジやスウィートルーム。外に広がる風景は、昼は活気に満ちた街の佇まい。そして、夜ともなれば喧噪の街は闇に消え、眼前に広がるのはきらめく夜景のみ……まるで夜空に浮かぶステーションにいるような錯覚を覚える。まさに日常のわずらわしさを忘れ、ゆったりとした時の流れに身を任せられるラグジュアリーなひとときである。こんなスペースが住まいの中にあったなら、暮らしはさらに豊かなものになるはずだ。団塊世代を中心に、都市への回帰を望む人たちが増えている昨今、こんな“リッチライフ”の提案はいかがだろうか。

 

(一社)日本ツーバイフォー建築協会会報誌「ツーバイフォー」転載記事