協会活動報告
「枠組壁建築技能士」とは
「枠組壁建築技能士」とは?
厚生労働省が実施する「技能検定」の検定職種「枠組壁建築」に合格した優秀な技能者の称号及び国家資格です。ツーバイフォー住宅・建築のフレーミング工事(床及び壁枠組等の施工)に従事する方が対象です。
「枠組壁建築技能士」はCCUS「レベル3」の資格要件の一つ
「枠組壁建築技能士」はCCUS「レベル3」の資格要件の一つ
「建設キャリアアップシステム(以下 CCUS)」は、技能者の資格や現場での就業履歴等を登録・蓄積し、能力評価につなげることを意図して整備されています。以下の図は、CCUS の能力評価基準です。このなかで「枠組壁建築技能士」 は、職長レベルに該当する「レベル3」に必要な資格の一つとなっています。また、表彰制度やステップアップにもつながっています。
CCUS 「建築大工」の能力評価基準のイメージ
「枠組壁建築技能士」が起点となる表彰制度と資格
「枠組壁建築技能士」が起点となる表彰制度と資格
当協会は「枠組壁建築技能士」のなかから優秀な技能者の方を対象に「優秀フレーマー表彰」を実施しています。さらに、受賞者から「優秀施工者国土交通大臣顕彰(建設マスター、レベル4に該当)」及び、「青年優秀施工者不動産・建設経済局長顕彰(建築ジュニアマスター、レベル3に該当)」の候補者を国に推薦しています。また、「枠組壁建築技能士」の資格と一定の職務経験があれば「レベル4」に必要な「登録建築大工基幹技能者」になるための講習を受講する要件を満たします。
「枠組壁建築技能士」は特定技能外国人の在留資格にも有利
「枠組壁建築技能士」は特定技能外国人の在留資格にも有利
特定技能外国人の在留資格には2種類があります。「特定技能1号」の外国人の在留期限は最長通算5年間ですが、「特定技能2号」に移行すると、在留期間の更新上限がないうえ、家族を帯同させることが可能です。その移行条件にCCUSの「レベル3」も含まれるため、「枠組壁建築技能士」の資格取得が役立ちます。
「枠組壁建築技能士」の現場の声
「枠組壁建築技能士」を起点にキャリアアップし「建設ジュニアマスター」へ
Interview
「枠組壁建築技能士」を起点にキャリアアップし、「建設ジュニアマスター」になったフレーマーさんにお話をうかがいました。
「毎日の仕事がキャリアの基本。コツコツ積み上げていきたい」
㈱上村工務店 藤原 愼二さん
- 2001年 入職
- 2018年 「枠組壁建築技能士」資格取得
- 2020年 「優秀フレーマー表彰」受賞(元請会社の㈱イワキ・協会広島県支部の推薦)
- 2023年 「青年優秀施工者不動産・建設経済局長顕彰(建設ジュニアマスター)」を受賞



建設業界に入って3年目に今の工務店に就職し、「昨日より今日、今日より明日」をモットーに、21年間大工をしてきました。元請けのイワキさんから「枠組壁建築技能士」になるよう技能検定受検を薦められたのがキャリアアップの第一歩です。試験は大工工事以外の内容もあるため対策は必要ですが、普段の仕事に真面目に取り組んでいれば通る資格と感じました。多くの方にチャレンジしてほしいと思います。

「枠組壁建築技能士」になってからは現場でより気が引き締まります。仕事を優先的にまわしてもらえているようにも感じます。以前はそれほど意識していなかったのですが、今は技術や経験を重ねることに加え、資格を前に進む目標のような存在ととらえています。無事故に努め、後進への指導を行いながら経験を積んで毎日をコツコツ積み上げていく――その結果として「枠組壁建築技能士」の資格取得後、「優秀フレーマー表彰」や「建設ジュニアマスター」の推薦をいただいたのだと思っています。
資格取得を機に、ツーバイフォーの技術を次世代に伝えたいという気持ちも芽生え、協会の広島県支部が行った工業高校の建方実習の講師も経験しました。あとに続く若手のためにも、仕事に励む一方でプライベートも充実させる、そしてまた仕事を頑張る、そんな大工の働き方を体現したいと思っています。
「枠組壁建築技能士」が語る技能検定受検の動機と合格の秘訣
技能検定試験に合格して現場で活躍しているフレーマーさんに、技能検定を受けようと思ったきっかけや合格に向けた勉強や練習、そしてこの先のキャリアアップについてお話をおうかがいしました。フレーマーさんを支えた所属先の職場環境やサポート体制等もヒアリングしました。
CASE1
技能検定の成績優秀者として表彰されたフレーマーさん
「合格には努力が欠かせない。
『負けたくない』という思いで上をめざします」
泉北ホーム㈱専属大工 山下 純史さん
(2022年度技能検定合格)
見習いの頃から「枠組壁建築技能士」のことは知っていましたが、泉北ホームさんに資格取得を推奨していただいたのが、受検のきっかけです。
合格に必要なものは努力だと思います。技能検定は課題が事前にわかる国家試験なので、最初はわからなくても練習を重ね、準備をすれば通るものです。私の場合、実技試験の練習は雨で現場が休みの日を使い、3つの模型をつくりました。製図も2~3回は練習しました。学科試験は、知り合いから譲り受けた問題集で準備しました。現場用語と正式名称や専門用語は違うので勉強は欠かせません。
2022年秋、大阪府職業能力開発促進大会にて技能検定の最優秀者として表彰された。応援に来た泉北ホームのメンバーとともに。
協会の関西支部が試験対策に実施した事前講習会に参加し、独学では理解が難しかった点をご指導いただけたことも合格への近道だったと感じています。また、泉北ホームさんに技能検定合格や表彰などの話題を一緒に喜んでいただき、ホームページで紹介してもらったことはうれしかったです。
資格は自分の身に付くことなので、フレーマーみんなが取得して業界を盛り上げていければと思っています。私自身は、ほかの大工に負けたくない、さらに上に行こうと思ったのがステップアップのきっかけであり、今後も自身のキャリアアップにつながるチャレンジを続け、よりよい住宅供給の一端を担いたいと思います。
2022年秋、大阪府職業能力開発促進大会にて技能検定の最優秀者として表彰された。応援に来た泉北ホームのメンバーとともに。
会員会社のコメント
「優秀な専属大工の存在は自社の強み。
キャリア形成をフォローしています」
森谷 竜馬 (泉北ホーム㈱ 積算部 係長)
森谷 竜馬さん
(泉北ホーム㈱ 積算部 係長)
当社では経営戦略の中核に「持続可能な成長と人材の充実」を位置づけ、専属の職人さんが技能者の地位を維持・拡大するために、継続的な学習とスキルの向上を奨励しています。技能検定受検に向けてはフレーマーさんにヒアリングによるフォローを行い、受検費用を負担し資格保有者から協会の「優秀フレーマー表彰」への推薦も行いました。当社では施工精度の高さを求めるため、技術力に加え、指導者としても優秀な専属の大工を集めるとともに、表彰の話題をホームページで紹介し、自社の強みとしてPR しています。山下大工のような優秀な方は次の世代のお手本にもなるので、今後のキャリアアップも応援していきたいと考えています。
CASE2
一人親方としてキャリアアップを目指すフレーマーさん
「資格は経験を重ねた技術力の証明。
今後の目標としてもキャリアアップを続けたい」
隆建 佐々木 隆太さん
(2023年度技能検定合格)
大工仕事はおおむね同じ作業の繰り返しです。独立して現場経験を重ねるなかで、刺激のある何かを見つけたいと考えていたときに、元請先から「こういう資格があるから受けてみたら」と技能検定の話がありました。
試験を振り返ると、合格は日々の積み重ねに尽きます。よりよい建物を提供したい、お施主様や近隣の方に信頼していただけるようにと整理整頓を徹底したり、きれいでスピーディな仕上がりを追求したり、といった普段の仕事が生きたのだと思います。現場で一人作業していると技術を誰かに披露するということがないので、当日は緊張しましたが楽しく試験を終えることができました。
なお、受検前には協会の事前講習会を受講しました。受けてよかったことは試験のコツをつかめたことです。製図などはちょっとしたコツを知ることで時間のロスが抑えられ、気持ちに余裕をもって取り組めました。
大工の評価が表に出ることはそうありません。今回「枠組壁建築技能士」となり、称号のようなものができたのはうれしいことでした。自分の技能がどの程度の評価をされるのか、技術力の現在地を知り、目標にもなります。元請先に信頼いただくことにつながりますし、初めて仕事を請け負う先へのアピールもできるので、資格取得の意義は大きいと思います。
とはいっても、ただ資格をもつだけで仕事が増えるとは思いません。土台は日々の仕事だからです。何が変わるかといえば、仕事を前向きにしやすくなることです。たとえば、元請けの担当者に改善提案等があるとき、資格の存在が自信になったり、説明の根拠があったりと相手への説得力も変わってくるのではないでしょうか。
私が大工1年目のときに親方だった人は70 歳になろうかという今も現役です。この先ずっと長く続く大工人生において、充実した仕事や経験を重ねるためにも、日々の努力を怠らず、今回の「枠組壁建築技能士」のような自分の存在価値を高めるキャリアアップにも多面的にチャレンジしていこうと考えています。
また後進の育成にも取り組み、大工としての幅を広げていきたいと思います。
いかにきれいでスピーディに仕上げられるかを追求し、創意工夫に努める。
試験前に受けた協会の技能検定事前講習会。
愛用の道具。「仕事道具で技術を証明できるのでうれしい」と佐々木さん。
使っているヘルメットも「枠組壁建築技能士シール」付きになった。
CASE3
特定技能外国人として日本の現場を支えるフレーマーさんたち
「特定技能2号に移行して、
家族を呼び寄せて長く働きたい」
㈱新昭和 生産品質管理本部現場施工課
グエン チー グエンさん(上列左)
グエン クイ クアンさん(上列中)
グエン フィ ロンさん(上列右)
ドアン ドック フィエットさん(下列左)
ブイ ズイ ニァット ミンさん(下列右)
(千葉県 それぞれ2014年~ 2016年にベトナムから日本に来日)
フレーミング工事では勉強や資格取得を通して、以前より自信がついたという。
私たち5人は技能実習生としてベトナムから来日し、現在は「特定技能1号」の在留資格に移行して働いています。他社から移ってきた大工もいます。技能検定を受検した目的は、自分自身のスキルを確かめたいと思ったことと、熟練した技能が求められる在留資格「特定技能2号」を取得するためです。5人とも妻や幼い子どもを自国に残してきているので、「特定技能2号」に移行して、家族を呼び寄せて一緒に暮らしたいのです。
受検にあたっては、会社の勉強会に参加したり、時間を見つけては自主的に加工や製図の練習をしたり、テキストを勉強したりしました。「枠組壁建築技能士」になって自信がつきましたし、外国人従業員に対しての評価が上がることにつながり、本当にうれしいです。お客様から「技術が高いですね」とほめられると、誇らしい気持ちになります。
フレーミング工事では勉強や資格取得を通して、以前より自信がついたという。
会員会社のコメント
「有資格者は給与面で優遇。外国人フレーマーの
ステップアップのために勉強会も開催しています」
青栁 幸司 (㈱新昭和 生産品質管理本部 現場施工課 課長)
青栁 幸司さん
(㈱新昭和 生産品質管理本部
現場施工課 課長)
2023年度の技能検定合格者は全国で25名でした。当社では7名が合格し、そのうち5名が彼らです。外国人初の合格者という快挙も成し遂げました。言葉の壁を乗り越えて本人たちがいかに頑張ったかをお察しいただけるのではないかと思います。
私共では「枠組壁建築技能士」の資格はツーバイフォーに携わる技能者の力量を示すものととらえております。資格保有者の給与には資格手当を組み込み、スタッフの技能検定受検へのモチベーションを高めるようにしています。そして、特定技能外国人の場合、在留資格の移行という重要な目的もあります。そこで優秀な外国人フレーマーに日本で長い間活躍してもらうために、「特定技能1号」の外国人を正社員と同等の待遇で雇用し、滞在期間の5年以内に「特定技能2号」に移行できるように、勉強会等を開催して技能検定の合格を支援しています。その甲斐あってどのフレーマーも、確かな技能を自分のものにしていると感じます。当社では外国人がつくる日本品質の証として、資格取得を今後もフォローしてまいります。
「枠組壁建築技能検定」の受検について
技能検定の試験内容
技能検定「枠組壁建築」には学科試験と実技試験の2つがあります。両方合格した方が「枠組壁建築技能士」の称号を得ることができます。また、どちらか一方に合格した場合には次の受検時に該当の試験が免除されます。
- 学科試験――枠組壁工法による建築物の建築構造、施工法、材料、製図、関係法規及び安全衛生について必要な正しい判断力と知識の有無を判定
- 実技試験――製作等作業試験と計画立案作業試験
大工技能者のキャリアアップ支援に向けた協会の取り組み
当協会ではツーバイフォーの現場に従事する大工技能者の方が一人でも多く技能検定に合格して「枠組壁建築技能士」となるようにさまざまな取り組みを行っています。また、大工技能者のキャリアアップを応援する表彰やステップアップの支援も実施しています。
「枠組壁建築技能士」資格取得等に向けた取り組み
- ・「技能検定事前講習会」の開催/技能検定「枠組壁建築」の実技試験(作業試験)の事前準備として各地で講習会を行っています。
- 詳細はこちら
- ・技能検定の受検用テキストの販売/「枠組壁建築」技能検定の受検要領や、過去の問題と解説等をまとめたテキストを協会ホームページで販売しています。
- 購入はこちら
- ・技能検定合格者にお祝い金・ヘルメット用シールを贈呈/当協会の会員会社の合格者及び会員会社から推薦を受けた合格者には、当協会からお祝い金を贈呈し、現場で「枠組壁建築技能士」の有資格者であることを明示できる「ヘルメット用シール」を差し上げています。
- ・枠組壁建築技能士の看板データの作成( 広島県支部)/「枠組壁建築技能士」が作業する建築現場の工事看板としてのデータを会員会社向けに作成し、技能や信頼性をPR するように働きかけています。


技能検定事前講習会風景

「枠組壁建築」技能検定受検テキスト(学科編・実技編)
枠組壁建築技能士
ヘルメット用シール


表彰制度・ステップアップの支援
- ・優秀フレーマー表彰の実施/「枠組壁建築技能士」有資格者のなかから、技術者のリーダー的存在になる「優秀フレーマー」の表彰を行っています。
- 詳細はこちら
- ・「優秀施工者国土交通大臣顕彰(建設マスター)」、「青年優秀施工者不動産・建設経済局長顕彰(建設ジュニアマスター)」の推薦/優秀フレーマーとして表彰され、国の定める顕彰基準を満たしている方のなかから選考し、候補者として推薦しています。


「優秀フレーマー」表彰式

「優秀施工者国土交通大臣顕彰」表彰式典
会員会社が特定技能外国人を受け入れる体制の整備
- ・当協会は、特定技能外国人受入事業実施法人の(一社)建設技能人材機構(以下JAC)の正会員団体であるため、会員企業は特定技能外国人を受け入れる際にJACの賛助会員(年会費24万円)になる必要がなく、経済的負担が抑えられます※。また、一種正会員の協力事業者(下請事業者)を対象にした「特別会員制度」(年会費3万円)も設けています。
- ※受入負担金等は必要です。
協会会員の特定技能外国人の受け入れについて
▶技能検定をはじめ、上記の各取り組みについてのお問い合わせは協会事業部までお寄せください。事業部 ginousya@2x4assoc.or.jp
枠組壁建築技能検定合格者数の推移(全国)
※2013年度、2020年度、2022年度、2024年度は枠組壁建築技能検定を開催しておりません。
| 年度 | 受験申請者数 (人) |
合格者数 (人) |
合格率 (%) |
|---|---|---|---|
| 2025年 | 149 | 62 | 41.6% |
| 2023年 | 44 | 19 | 43.2% |
| 2021年 | 71 | 25 | 35.2% |
| 2019年 | 53 | 24 | 45.3% |
| 2018年 | 82 | 46 | 56.1% |
| 2017年 | 80 | 31 | 38.8% |
| 2016年 | 137 | 73 | 53.3% |
| 2015年 | 135 | 68 | 50.4% |
| 2014年 | 77 | 36 | 46.8% |
| 2012年 | 124 | 45 | 36.3% |
| 2011年 | 205 | 57 | 27.8% |
