ツーバイフォーとは
大手デベロッパーの賃貸住宅シリーズにツーバイフォーが採用
“木造に住む価値”をテーマにした4階建て木造マンション
▲都心の住宅街に調和するシックでモダンな外観デザイン。多種多様な樹木が外構に植えられ、自然とのつながりが感じられるように工夫されている。マンションは1DK~2LDK(29.21m2~53.13m2)の住戸29戸からなる。本物件は「ウッドデザイン賞2025※3」の「ハートフルデザイン部門」を受賞した。
東京都内の住宅地に建設されたこの建物は、地階がRC造、1~4階がツーバイフォー工法という全5層の賃貸住宅です。大手デベロッパーが“人生を豊かにデザインするためのマンション”をコンセプトにした賃貸住宅シリーズにおいて、初めて木造が採用された物件です。
テーマは、入居者が都会に暮らしながら木造に住む価値を十分に感じられること。外観を森に見立てたファサードや、木の幹をモチーフにしたエントランスで、森に入り込むようなイメージで空間が展開し、各住戸のドア横には木目の美しいパネルが入居者の帰りを出迎えます。一部住戸には壁・天井面に天然木クロスが使用され、本物の木の手触りや香りを楽しむことができます。また、屋上は草屋根のテラスを設けてくつろぎ空間を創出するとともに、緑化による遮熱効果も図られています。
この建物は、ツーバイフォーの断熱性能や高効率な設備の導入により高いレベルの省エネルギーが実現し、BELS評価を取得した「ZEH-M Oriented」です。また、木造化により、同規模のRC造のマンションに比べ、建設時に発生するCO2排出量を40%以上削減すると試算されています※1。
これまで大手賃貸入居募集ポータルサイト等では木造賃貸住宅はアパートしか登録することができませんでした。しかし、この物件の設計・施工を担当した住宅会社は、「エンジニアリング・レポート」を作成し、「物理的耐用年数79年」の不動産評価を獲得した「木造マンション第1号」を世に送り出して※2以降、着工実績を重ねてきました。本物件でのツーバイフォー工法の採用は、不動産市場で木造マンションが評価された結果といえます。
- ※1炭素貯蔵量は275t-CO2、スギ換算では544本に相当。
- ※2東京都稲城市に2021年に建設された「MOCXION INAGI」。
- ※3一般社団法人日本ウッドデザイン協会が主催する、木で暮らしと社会を豊かにするモノ・コトを表彰し、国内外に発信するための顕彰制度。
▲壁や天井に天然木クロスを使用した住戸。 本物の木の手触りや香りが体感できる空間となっている。
▲天然木のデザインウォールを配したエントランスホール。濃淡のある斜めの木目が視覚的な動きを生んでいる。
▲夜間は暖色系の照明が灯り、内部の木質空間を印象的に見せる。
▲各住戸のエントランスには、復興公営住宅建設の縁がある岩手県釜石市のFSC認証林から伐採した木材で製作したインターホン・室名札パネルが設置されている。
| DATA |
|---|
| 所在地/東京都目黒区 |
| 用途/共同住宅(賃貸住宅) |
| 構造/枠組壁工法(1~4階)、RC造(地下1階) |
| 階数/地下1階、地上4階建て |
| 敷地面積/657.65m2 |
| 建築面積/460.24m2 |
| 延床面積/1,491.01m2 |
| 事業主/日鉄興和不動産(株) |
| 設計・施工/三井ホーム(株) |
| 工期/2024年1月~2025年3月 |
| 法規制/第一種中高層住宅専用地域(容積率200%) |
| Vol.248 2026年新春号 |
(一社)日本ツーバイフォー建築協会会報誌「ツーバイフォー」転載記事
