一般社団法人 日本ツーバイフォー建築協会

ツーバイフォーとは

NLTを採用した体育館がある文化・地域保健センター

パッシブデザインや木材利用により地球環境の保護・改善が意図された建築物。

カナダBC州リルエット市にある「ツクワイラックス(Ts'kw'aylaxw)文化・地域保健センター」は、17,000㎡を超える木造(一部RC造)の大規模施設です。先住民の社交・娯楽や健康促進を目的にカナダ政府・BC州の支援により建設されました。1階に体育館、2階にフィットネスルーム、3階にオフィススペースなどがあります。 自然の光や風を活用することで電力などのエネルギー消費を削減し、居心地のよい建物をつくるパッシブデザインを設計コンセプトとしています。ツーバイフォー工法が主体となっていますが、北側の斜面に接する設計にすることで、断熱性能を補完することができます。木造部分は品質、精度を確保するためパネル化が図られ、現場近くのコンポーネント会社で製作されました。外壁パネルはセルロースファイバーを充填した210材フレーミング(スタッド)で構成。OSBの面材により気密性も高められました。屋内側は断熱性能の低下を防ぐため、構造躯体の210材パネルの内側に204材パネルが設置され、配線・配管の設備ルートが確保されました。 内装にも木材が多用され、体育館の天井には集成材の大梁が渡され、梁間に用いられた構造材NLT(ネイル・ラミネイティド・ティンバー)は仕上げも兼ねています。

建物の南側に設けられた柱廊を進むと正面にエントランスがある。柱にはダクラスファー(米松)、軒裏にはレッドシダー(米杉)が用いられている。
傾斜地の地形を生かして建設され、建物背面は斜面と接しており、断熱性を補完している。袖壁部分は210材と204材を組み合わせた断熱構造。仕上げは耐候性を考慮しガルバリウム鋼板が用いられた。
NLTが体育館の天井と3階の床を兼ねて使用されている。
3階の床を支持するために集成材の大梁を設置。

バスケットボールのコートサイズの平面と約7mの天井高がある体育館は、さまざまなスポーツやイベントに使われる。天井は集成材の大梁とNLTを利用した木造となっている。

エントランスや体育館の先に3フロア分が吹抜けになったアトリウムがある
壁・天井・階段にはウエスタンヘムロック(米栂)が用いられている。

木質感豊かなインテリアの3階ラウンジ。円形のコーナーの内側には地域特産のアスペン材がアクセントとして使用されている。

  • 所在地:カナダ ブリティッシュ・コロンビア州リルエット
  • 設 計:ユニソン設計事務所
  • 規 模:17,465m2
  • 竣 工:2018年
  • Photo&Report:Peter Powles

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