一般社団法人 日本ツーバイフォー建築協会

ツーバイフォーとは

ダイニングが主役の家

▲S様邸のメインステージはダイニング。続くリビングをはじめ階段との境の壁もなくすことで一体感のある大空間が実現

コンセプトは子供も大人も自由に動け“パーティができる家”

白い外壁が陽光に映えるS様邸。訪れるとまず案内されるのが、玄関に続くダイニングキッチンである。ホールのドアを開けると、いきなり赤いダイニングチェアと白く透明感のあるアイランドキッチンが眼前に広がり、その美しさと大きな広がりに目を奪われる。この一般的な住宅とはひと味違うプランが採用されたのには理由がある。実は、奥さまがキッズ・アフター・スクールを運営されており、ご自宅がその会場になっているのだ。 「スクールでは、子供たちとクッキングもしますし、ハロウィンやクリスマスなど折に触れて子供を中心にしたパーティも開きます。そんなときの主役って、リビングではなくダイニングなんですね。だから思い切ってダイニングキッチンを中心に置いてみました」と奥さま。 また、スクールでは、英語や算数の勉強など、子供たちがメインになりながら、お母さんたちも一緒になっていろいろな体験や学習をしている。そのため、誰もが自由に動け、どこにいても互いの顔が見えて会話が楽しめるように、リビングも壁や建具で仕切らず、和室もタタミコーナー風にリビングと一体に使うことができるつくりとしている。 「この家のコンセプトは”パーティができる家“。だからウォールフリーのフルオープン。階段もあえて見せるつくりにしたら、子供たちの楽しい遊び場になりました」 ダイニングキッチンは、まるでキッチンスタジオのようにおしゃれな空間。キッチンアイテムが機能的に納められ、すっきりとした佇まいながら、いつ来客があってもすぐにお茶や食事のもてなしができるように整えられている。 「子供も大人も、ここにいると心の底からくつろいでいるようです。そんな様子を見るのがとてもうれしい」と奥さまはおっしゃる。


▲外観は白い外壁が印象的。陶製の瓦屋根と木製の玄関ドアが落ち着きを醸し出す

▲玄関ホールは白で統一。正面のシューズクロークも白い建具で空間にとけ込ませている

▲リビングからダイニングキッチンを見る。内装を白で統一したことでより一層の広がりが生まれている

▲大勢での調理に備えてキッチンまわりの動線は広めに。使いやすくお子さんも進んでお手伝い

海外の住まいを参考に日本の文化や季節感も演出 奥さまの想いを随所に表現
▲和室は日本の文化に触れ季節感を味わえる場。ときにはここで茶道のお点前も

S様ご一家は、ご夫妻とお子さん2人の4人家族。新築計画は、ご長男の小学校入学に照準を合わせて、約6年ほど前から時間をかけて練り上げられていったという。 海外旅行の際、現地でお子さんをおあずかりする会社を経営しているため、外国人の友人も多い奥さまは、そんな知人の住まいの、天井が高くオープンな空間構成や洗練されたインテリアを参考にしつつ、ご自身の夢を膨らませていった。 しかし、図面があがってくると、新しいアイデアが浮かび、そのたびに設計は一からやり直し。 「その回数は数え切れないほどでしたが、担当の方が辛抱強く受け止めてくれたおかげで、納得のいく結果となりました。こちらの希望を取り入れつつ、プロとしての的確なアドバイスもしていただいて、感謝しています」と奥さま。 こうしてご自身のこだわりを見事にカタチにされた奥さまは、海外の住まいの良さを取り入れるだけでなく、日本らしい暮らしのスタイルや文化も大切にされ、和室にその想いを表された。 床の間には伝統を感じさせる人形や凧などが飾られ、節句にはひな壇や兜も登場。また、長年、茶道をたしなまれてきた奥さまが、子供たちにお茶の飲み方を教えることもあるとか。 子供たちにとってS様邸は、楽しみながらいろいろなことが学べる貴重な場となっているようだ。

▲子供室は兄妹で広いワンルームを共有しているが、状況に応じて間仕切りも可能

▲1階のトイレ。こんな所にも楽しい飾り付けが


▲左上の写真の反対側。インテリアは、お兄さんはオレンジ、妹さんはピンクをポイントカラーにコーディネート。いずれもロフト付きの楽しい空間


▲広々とした主寝室には大容量のウォークインクロゼットがあり、すっきりとした佇まい

▲ゲストルームは、ご主人の書斎兼用。青空模様の天井がさわやかな気分にさせてくれる

DATA
敷地面積/246.90m2(74.68坪)
建築面積/74.92m2(22.66坪)
1階床面積/72.25m2(21.85坪)
2階床面積/66.25m2(20.04坪)
延床面積/138.50m2(41.89坪)
設計・施工/朝日住宅株式会社
URL:http://www.ajg.co.jp/
Vol.177 2009年1月号

(一社)日本ツーバイフォー建築協会会報誌「ツーバイフォー」転載記事