ツーバイフォーとは
心地よい集いの大空間をツーバイフォー住宅で実現
▲建物の正面が北側になるN邸。外観は、大きいシルエットになる1階がダイナミックに見えるように、玄関ポーチを建物に内包し、下屋部分にパーゴラ風カーポートを組み合わせた設計となっている。エクステリアは、緑の前庭にアンティーク風のアイアン門扉、素焼きレンガの外構、木製カーポートなど自然の風合いを大切にした素材が用いられている。
ここに暮らすのは夫婦とお子さん4人の6人。家族の集いを大切に考えるNさん夫妻の希望は、ともに過ごせる広いLDKをつくることでした。それまではツーバイフォー住宅についてほとんどご存じなかったという夫妻ですが、大空間を求めた先にツーバイフォービルダーとの出会いがありました。
「いただいた提案は、他社では不可能な広さや心地よさがかなった唯一のプランでした」と夫妻が語るLDKは34帖の広さと最大5m超えの勾配天井をもつ開放的な空間。東西10m幅の真ん中にはタイル張りの丸柱、リビングとダイニングの間にはアールを描く垂れ壁があります。「これらは強度を高めるだけでなく、空間をソフトに区切る役割があります。また、キッチンやヌックの天井を低く設定、大空間の中にさまざまな場をつくりました」と設計者。夫妻は「気づけば、寝るとき以外は家族6人がLDKにいます。子供たちは食卓やヌックで勉強をしたり、私たちはソファで読書、カウンターでパソコンを開いたりと、各々が違うことをしていても全員が同じ空間にいるというのはうれしいことです。大空間はエアコンの効きが悪いのではと心配しましたが、年中快適です」と話されました。
▲左手先にはリビングがあり、34帖大のLDKの中には、ヌックやカウンターなど、家族が思い思いに過ごせるさまざまな場が設けられている。ダイニングとヌックの間に立つ円柱はモロッコ式のコラベルタイル張りで、夫妻がテレビドラマで観た意匠がモチーフになった。
▲手前のリビングは勾配天井で、ダイニングはフラット天井。垂れ壁や天井高を変えることでスペースがソフトに区分けされている。リビングのテラス窓上に設置された室内パーゴラが空間のアクセントになっている。内装や建具は自然素材にこだわりオーク材が多用されている。
階段を取り込んだ吹抜けのリビングは、2階にL形のホールが設けられた開放的な大空間。海底をイメージして一段下げられた床にはコバルトブルーの絨毯が敷かれています。この空間は、サラウンド対応のシアターリビングにもなり、リモコンのスイッチを押すと、100インチのスクリーンが下りてきます。スピーカーは化粧梁の下にあるため、頭上から音が降ってくるシネコン感覚を満喫できます。「ソファで映画を見るのが至福の時間」と話すご主人。ここは夫妻だけでなく、愛猫にとっても楽しい空間。化粧梁はブリッジの役目を果たし、壁面につくられたキャットウォークとつながり、遊び場になっているのです。
リビングとオープンにつながるダイニング、キッチンには東・南面に大きな窓が設置され、ウッドデッキまで視界が広がります。その木製サッシにはトリプルガラスが採用されています。ツーバイフォーの構造により吹抜けの大空間と高断熱の両方が実現しました。「夏は涼しく冬は暖かなので、年間を通して心地よい。この快適さはほかの家にはぜったいに負けません」と、夫妻は喜びを語られました。
▲2階ホールから見る。ソファの上方にホームシアターのプロジェクターが天吊りで設置されている。写真右手の窓前にはベンチが造り付けられている。
▲100インチのスクリーンを下ろせば映画が楽しめるシアターリビングになる。ツーバイフォー工法の高い気密性により遮音効果が得られる。
▲玄関には靴箱やオープン収納のほか、リビングからも使える納戸がある。靴箱にはホワイトオーク材、ホールの床にはオークラスティック材が使われている。
▲アールの垂れ壁が覆う横長の玄関ポーチ。玄関ドアは重厚な鉄扉をイメージして黒いアイアン塗装が施されている。
▲プレゼン時の外観パースは完成した建物にかなり近いイメージ。夫妻はこの手書きパースを気に入り、依頼の決め手のひとつとなった。
「経年美化」を楽しめるこだわりの空間をプロデュース

(株)トータルハウジングトップ
光永 哲也さん
私たちがなぜ輸入住宅にこだわるのか。そこには明確な理由があります。今、日本の住宅業界では、行政主導のもと長期優良住宅やゼロエネルギー住宅が推進されています。しかし、住宅先進国である欧米諸国では、ことさら長寿命や持続可能性を喧伝しなくても、建築から100年以上経過した家がたくさん建っています。「家が丈夫で長持ちする」のは当たり前のことなのです。そればかりか、家は魅力を増し「経年美化」の味わいが創り出されています。
ツーバイフォー工法による住宅は、自然素材を使いながらも気密性、断熱性に優れ、しかも地震に強いというメリットもあります。私たちは、その優れた工法を研究し、一邸一邸、確かなテーマに基づいたオリジナル仕様で設計提案しています。すべての実績に共通しているのは、住む人の憧れを満たした空間であること。また、邸内に風や光や緑など自然を取り込んだ遊び心のあるスペースを設けることです。そして、本物の素材だけにこだわっているため、年を経るごとに住まいの美しさが増していくのも大きな特徴の一つです。私たちは、現代の日本でも、快適な暮らしを実現しながら100年200年と住み継ぐことのできる住まい、そして誰が見ても美しいと感じられるフォルムを目指しています。
| DATA |
|---|
| 敷地面積/247.99m2(75.02坪) |
| 1F床面積/92.94m2(28.11坪) |
| 2F床面積/52.17m2(15.78坪) |
| 延床面積/145.11m2(43.89坪) |
| 設計・施工/(株)トータルハウジングトップ社 |
| Vol.223 2019年秋号 |
(一社)日本ツーバイフォー建築協会会報誌「ツーバイフォー」転載記事
