ツーバイフォーとは
木の表情豊かな平屋のツーバイフォー二世帯住宅
▲ 約1,500㎡の広い敷地の東西にわたって建てられた平屋のT邸。左右分離型の二世帯住宅で、延床面積は約250㎡。木柵前のアルコーブを起点に20度ほど「く」の字に傾けられている。外壁には、耐朽・耐水性や保温・防腐・防虫・形状安定性に優れた特性を備えた熱処理木材が使われている。
西叡山、国東連峰の山々を望める高台に建つT邸。敷地が広いため、住宅自体がパブリックとプライベートを仕切る塀としても機能するようにと平屋の建物が計画されました。道路側は白を基調にした外観、庭側は外壁全面、軒天、テラス床、ルーバーなどに天然木材が多用され、表情豊かな外観となっています。
東西に細長く、南庭に向かって大きく開いたT邸は、中央にあるアルコーブで区分された二世帯住宅で、西側に子世帯(夫婦+子供3人)、東側に親世帯(両親+祖母)が暮らしています。「アルコーブを境に『く』の字に折り曲げたことで、世帯間に程よい距離感が生まれ、プライバシーとコミュニケーションの両方を確保できます」と設計者は話します。
▲ 西側(子世帯側)から見る。軒天に埋め込まれたダウンライトにより外壁の木の表情が際立つ。
▲ 正面は2つの大開口サッシが設置された子世帯のLDK。右手のアルコーブを挟んで東側の親世帯の住居とつながる。
▲ 門からアプローチを進むと庭を見通せるアルコーブがあり、その両側に二世帯の玄関が設けられている。軒裏はツーバイフォーの垂木を杉材でサンドイッチし、木の温もりが表現された。
▲ 夫婦と子供3人が暮らす西側の子世帯住居部分。室内からの視界を妨げないように軒先が上げられている。手前や奥の木格子の中にエアコンの室外機が設置されている。
建築士の資格を持つTさんと、一緒にオーダーキッチンを主軸とした家具メーカーを営まれているご両親が、この二世帯住宅の住み手です。自宅の建築にあたって要望されたのは、「庭に出る」という楽しみを満喫できる住まいにすることでした。
日当たりや風の流れをシミュレーションして、南に面する部屋の前に4つのテラスが設けられ、冬の日差しを取り込み、夏の日射を遮る軒が施されました。「リビングやプライベートルームから下りられる庭は4世代が交流する場所。子どもたちは芝庭を駆け回り、大人たちは縁側のようなテラスでおしゃべりに興じる。いつも庭に集まっています」と夫妻は語ります。大開口にはフレームが見えないサッシを採用し、閉めていても庭との一体感を楽しめるようになっています。
また、建築に造詣が深い家族と設計者とのコラボレーションもT邸の特徴です。床を下げソファを造り付けたピットリビングをはじめ、建築と家具・建具等をトータルで設計することにより、統一感のある落ち着いた趣の住空間となりました。
▲ 子世帯のリビング・ダイニング。無垢材のフローリングや傾斜天井により落ち着きを感じさせる空間になっている。左の扉のように建具の多くは壁と同色とし、一体感を演出。
▲ 大開口サッシの内側に太鼓張りの大荒障子が付けられている。
▲ 床を40cm低くしてソファが造り付けられた子世帯のピットリビング。上部はロフトに活用。北側には高窓が設置され、囲まれ感のある心地よさを感じさせる。
◀ 子世帯の洗面脱衣室。洗面台や収納は窓の配置と一緒に計画され、家具工事により施工された。
▲ 床を40cm低くしてソファが造り付けられた子世帯のピットリビング。上部はロフトに活用。北側には高窓が設置され、囲まれ感のある心地よさを感じさせる。
未来の世代から支持される家づくり

西日本グッドパートナー(株)
取締役副社長
髙倉 潤さん
私たちがツーバイフォー工法の家づくりを始めたのは、「資産価値の落ちない、永く住み続けられる家を」という想いからでした。
これまでの日本では、親が建てた築20~30年の住宅を、子どもは受け継がないことが多かったようです。それは、建築時に耐震性・断熱性等の基本性能や間取りの可変性について考慮されていなかったためと思われます。海外では、「おじいさんは家を造り、お父さんは別荘を造った。だから僕はヨットを買う」という話があります。家が長持ちすれば世代を超えた資産になるので、三代目は趣味にお金が使える、ということです。私たちは、未来の世代から「こんなにいい家を造ってくれてありがとう」と、支持される住環境づくりを目指しています。
キーワードはサスティナブル(持続可能性)とアフォーダブル(適正価格)です。より高い断熱性能を得るため2×6材を採用し、木質系断熱材をドイツから輸入することに取り組んでいます。また、耐震化に注力し、ツーバイフォー工法では精度の高い構造計算が行えるので、全棟に実施し、数値的に証明できる「耐震等級3」の住宅を提供しています。今後も私たちは、適正な価格で確かな性能を備える、価値ある家づくりに努めていきます。
| DATA |
|---|
| 敷地面積/1,589.00m2(480.67坪) |
| 延床面積/250.88m2(75.89坪) |
| 設計・施工/西日本グッドパートナー(株) |
| Vol.227 2020年秋号 |
| 多世帯 |
(一社)日本ツーバイフォー建築協会会報誌「ツーバイフォー」転載記事
