一般社団法人 日本ツーバイフォー建築協会

ツーバイフォーとは

厳寒の十勝で暮らしやすさと暖かさを追求した牧草地に建つ住まい

▲ご主人のデッサンを基にデザインした外観。左奥に見えるのが牛舎。今夏、Oさんが育成した肉牛が十勝総合畜産共進会で最高位の賞を受賞した。

暮らしに合わせた動線の工夫で毎日を快適に

 北海道・十勝地方で若い畜産家として活躍するOさん夫妻は家を建てるとき、迷わずツーバイフォー工法の草分け的存在である地元の住宅会社に相談されました。「多くの知人がこの会社に依頼して家を建てており、実際にお邪魔したこともあるのですが、誰もが『暖かさが違う』と言うのです」と奥様は話します。「家の造りがしっかりしているため、年数が経っても暖かさが変わらない」という評判も依頼の決め手となりました。

 広々とした牧草地に建つO邸の特徴は、畜産業を営む家族ならではの間取りとなっている点です。正面玄関と勝手口を分けたプランとし、勝手口から洗濯・収納・着替え・入浴の各空間が続きます。「最初に決めたのが勝手口の位置でした。牛舎に近く、出入りしやすいので毎日活躍しています」と夫妻は微笑みます。ご主人はお仕事の後、勝手口から入って作業着を脱ぎ、お風呂に入ってリビングの団らんへ。このご主人の一連の動作と、奥様の家事動線、3人のお子さんの動線が重ならないよう、洗面化粧台は廊下に設置され、ダイニング・キッチンは3方向からのアクセスが確保されています。

 インテリアは、奥様がSNSなどで好みのデザインを探し、画像を送って要望を伝えました。建材や照明、壁紙などは担当者と一緒に札幌や帯広のショールームに出かけ、実際に質感や色、明るさなどを確かめながら選択しました。

 1階に床暖房を入れ、断熱は外壁が140mmのグラスウールに24mmの付加断熱、南面の窓以外はトリプルサッシを採用して高い保温性を確保しました。「冬でも全身が暖かくとても快適に過ごせています」と奥様。ツーバイフォー住宅の特長である気密・断熱性が、寒暖差の大きい北海道の住まいで生かされています。

▲勾配天井のリビングとダイニング・キッチンが一体に。引き違い窓の上の細長い窓は、夜、家族が帰宅するときに家の明かりが遠くからでも見えるように設置した。

各部屋の雰囲気を変えて、思い思いに過ごせる場をつくる

奥様がいちばん気に入っているのがキッチンです。グレーのクロス、黒のワークトップ、木調の収納棚によって落ち着きのある空間になっており、窓辺のカウンターからは一面に広がる牧草地の景色を眺めることができます。

O邸の魅力は、部屋ごとにガラリと雰囲気が異なっているため、さまざまな空間を楽しめること。たとえば、ダイニング・キッチンは天井高を抑え囲まれ感をもたせた一方、リビングは勾配天井に大きな窓を合わせ開放感あふれる空間に。和室は鮮やかなクロスや照明が印象的なモダンな部屋に、書斎は隠れ家風になっています。

主寝室にはシーリングライト一体型のプロジェクターを装備し、さらに2階ホールには共有スペースを設置してお子さんたちが自由に遊べる空間をつくりました。外に出かけられないときも家のなかで楽しく過ごしてほしいとの思いからです。子ども部屋は各自で選んだ壁紙と照明をコーディネートし、プライベートスペースを確保しました。「部屋ごとに表情が異なり、家族それぞれにお気に入りの場所がある家になりました」とOさん夫妻は喜びを語ります。

▲シーリングライト一体型のプロジェクターを設けた主寝室。スクリーンを兼ねた壁でクローゼットと部屋を緩やかに仕切る。

▲ご主人が使う書斎は明るさを抑え、隠れ家風の雰囲気に。

▲光が繊細に広がる照明と鮮やかなクロスが印象的な和室。

▲子ども部屋とつながる2階の共有スペース。寒い季節など、外に出られないときでも楽しく過ごせる空間に。

▲主寝室から共有スペースを見る。高窓で光を取り入れている。

▲子ども部屋は各自の好みで壁紙と照明をコーディネート。

▲正面玄関は間仕切りによって収納スペースが見えないように工夫。

▲5人の動線を考え、洗面化粧台は脱衣室ではなく廊下に設けた。

▲勝手口内部。牛舎や作業場から戻ったら土間で手を洗い、作業服はそのまま洗濯機へ。隣にウォークインクローゼットがあり、収納・着替えもスムーズ。

▲牛舎や作業場、倉庫から近い勝手口。

スタッフからのメッセージ

厳しい自然環境に適したツーバイフォー住宅づくりにまい


(株)赤坂建設
お客様相談室 室長
高山 辰也さん

昭和51年に北海道道東地区で初めてツーバイフォー工法で住宅を建築して以来、当社では全国でももっとも厳しいといわれる十勝の気候風土に適した建物づくりに挑戦し続けています。とくにお客様のご要望の聞き取りを徹底し、環境とデザイン、省エネに加え災害に備えた家づくりに力を入れています。O様からはご友人の話を聞いて当社にご相談いただきました。暖かさ、しっかりとした造りのほか、対応が親切との評価に大変うれしく思っています。

O様夫妻は具体的な要望をたくさんおもちだったので、一緒に理想の家を創り上げていくという思いで担当しました。サンプルだけではわかりにくいサイディングの色味や質感を3Dシミュレーションでご主人に確認してもらったり、建材や壁紙などは奥様と一緒にショールームまで足を運ぶなど、実物を確かめてもらうことを重視しました。

これからもツーバイフォー住宅を創り続けることで多くの人を幸せにしたいと思っています。

DATA
延床面積/195.21m2
設計・施工/(株)赤坂建設
Vol.239 2023年秋号

(一社)日本ツーバイフォー建築協会会報誌「ツーバイフォー」転載記事

写真提供:住宅会社選びWebサイト「iezoom(北海道住宅新聞社)」