ツーバイフォーとは
“趣味を愉しむ“を追求した土間が暮らしの中心にある住まい
▲土間に設置された薪ストーブで暖をとりながら、家族や友人と楽しい時間を過ごせるLDK。「広くて落ち着いた空間で、家族団らんの時間が増えた」とSさん。
お子さんが誕生し、それまでの住居が手狭になったSさん夫妻は、家づくりの計画をご両親に相談したところ、23年前にご実家を建てた地元の住宅会社を勧められました。「実家がツーバイフォー住宅とは知らなかったのですが、住み心地のよさは体感していましたし、ていねいに対応していただいた会社さんだったので、好感をもっていました」と奥様は話します。
大自然のなかでキャンプをするのが大好きだという、アウトドア派の夫妻が望んだのは、内外装に木をふんだんに使った和洋折衷の“格好いい家”。「施工実績から、かわいらしい家を専門とする会社さんだと思っていたのですが、私たちの好みを受け止めてもらえ、よい家になるという期待が高まりました」とご主人も振り返ります。
▲同じ敷地にある奥様のご実家(左)とテイストは異なるが調和を図った外観。
▲奥様の趣味のドライフラワーのアトリエ。土足のまま歩き回れるようになっている。
▲釣りと料理が趣味のご主人が使う作業場。魚を捌いた後でも清掃しやすい内装仕上げとした。
S邸のテーマは“趣味を愉しむ”。家の中央にらせん階段のある吹抜けの土間を据え、ここからLDKや夫妻それぞれの趣味の空間、各部屋にアクセスできるようになっています。「二人で考えた間取り案を伝えたら『大胆で面白い』と、設計に取り入れていただきました」と二人はうれしそうに話します。土間には「キャンプのように焚火で料理したい」という希望から薪ストーブが設置されています。「暖をとるだけでなく、炎を見たりピザを焼いたり鍋をかける楽しさを友人たちとも共有しています」とSさん。
土間の西側には奥様のドライフラワーのアトリエを配置。将来ショップや教室として使えるように玄関とは別の出入り口がつくられました。キッチンの北側にはご主人が釣りで釣った魚を捌いて貯蔵する作業場が設けられました。
▲木の風合いが生かされた天井や床をベースに、黒スチールの窓サッシやペンダントライト、オフホワイトの漆喰塗りの壁、ツヤのある深緑色のタイルなど、異なる質感・色味の素材が調和しているLDKのインテリア。
▲Sさん夫妻の提案から生まれた、玄関からつながる広い土間。薪ストーブの後方にある玄関収納にはキャンプ道具をたっぷりしまえる。
▲螺旋(らせん)階段を上がって2階へ。「吹抜けを介し2階ともつながっているのに、夏は涼しく、冬は薪ストーブ1台でどこにいても暖かく感じます」とSさん。
S邸のインテリアのイメージは、ニューヨーク発祥のブルックリンスタイル。古い建物をリノベーションしたかのようなコンクリートむき出しの壁と土間、ヴィンテージ感のある濃色の木の天井と床、オフホワイトの漆喰に深緑のタイルを組み合わせた壁、黒スチールの螺旋階段や窓サッシ、ダクトレールなど、質感や色味の異なる素材が組み合わせられ、調和しています。「1階はハイスタッドを使っていますが、あえて2.4mに天井高を抑えることで落ち着いた空間をつくり、下げたスペースを利用してエアコンを埋め込んで、この雰囲気を大切にすることができました」と設計者は話します。
外観は切妻屋根に片流れの下屋を組み合わせ、外装の板壁と塗り壁を切り替えてファサードに立体感を演出。板壁は焼杉の炭を落としてよろい張りとし、やわらかい風合いに仕上げられました。
自然素材を多用したツーバイフォー住宅のS邸は、住みやすさはそのままに経年美化する奥様のご実家のように、時とともに味わいを増し、家族の大切な場所としてたくさんの思い出を刻むようにという願いが込められています。
▲焼杉の表面の炭を落とした外装でやわらかい表情を出した南側外観。国道近くの住宅街に位置するが、「車の音や犬の鳴き声も気にならない」と気密性の高さも実感。
▲西側外観。将来、ドライフラワーの教室や販売ができるように、玄関とは別にアトリエにも広いポーチ付きの出入口を確保。2つの下屋を前後にずらして配置した。
▲玄関収納の小窓からランタンなど趣味のキャンプの道具を眺められる。
▲土間越しに玄関まで視線が通り、調理中でも家族の気配を感じられるキッチン。奥の窓付きの扉を開けるとご主人の作業場につながる。
◀︎庭に面した屋根付きウッドデッキは薪のストック場所。子どもを遊ばせたり、見守ったりするのにも便利。
海外テイストの家づくりで経年美化を追求、世代を超えた信頼を築く

(株)トータル
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光永 哲也さん
弊社は創業以来、時代による流行りに関係なく、徹底してツーバイフォー工法による「海外テイストの家づくり」を行っています。その理由は、デザインの良さや構造の強さはもちろん、海外の住宅の最大の特徴である「経年美化」が実現できるからです。
S様邸の奥様のご実家は弊社施工の建物で現在築25年になります。内外装とも一度も手を入れていないにもかかわらず、美しさと風合いが増しています。新築から時間が経てば経つほどこの「経年美化」の大切さをご理解いただけるようになります。
今回のS様邸のように、世代を超えて弊社を選んでいただけるということは、建築会社として本当にうれしいことで、会社を長く続けてきて良かったと心から思います。今後も独自の美しいデザインやワクワクするような空間活用提案をしていきたい、そして住んでからもお施主様とずっとお付き合いしていきたい、そういう覚悟があります。その覚悟は、すべて施工実例に表れるのです。
| DATA |
|---|
| 愛媛県 S邸 2022年竣工 |
| 延床面積 157.32m2 |
| 設計・施工/(株)トータルハウジングトップ |
| Vol.243 2024年秋号 |
(一社)日本ツーバイフォー建築協会会報誌「ツーバイフォー」転載記事
