一般社団法人 日本ツーバイフォー建築協会

ツーバイフォーとは

50帖大のLDKが内部に広がる都市の住まい

▲約28帖・天井高4mの吹き抜けのリビング。右手にダイニングがある。窓の外に設けた大きなバルコニーと連続して見せることで広がり感をアップ。バルコニーは高い手すり壁で囲われ、外部の視線を気にせずくつろぐことができる。

新居の希望をかなえるため地下室付き住宅を丸ごと建て替え

ビリヤード選手のTさんは、地下室付き住宅を中古で購入し、公式試合にも対応するビリヤード場を併設した住まいにリフォームすることを検討していました。
Tさんは大好きな釣りでは世界中の海に赴くほど趣味も本気で極める方。奥様と3人のお子さんと新居への計画を立てるとほかにも希望がふくらみました。「一見では住宅に見えない建物に」「リゾート感覚を味わえる大空間を」「映像・音響のよいシアターを地下に」「愛犬たちにも居心地よく」——といった家族の思いをすべて満たすには、新築のほうがよいとわかり、「最終的に地下室付き住宅を丸ごと建て替えることになりました」とTさんは微笑まれます。依頼する住宅会社選びでは、デザインの指向性が合うことと、地下室に全館空調を装備できることが決め手となりました。

▲外観夕景。天然石の外壁が間接照明により表情豊かに演出される。

▲時間ごとに変わる空の景色を大きく取り込むリビング。

▲風合いの異なるタイルやスチールを効果的に対比させた玄関アプローチ。

▲黒い水平庇と一体になった高い門扉は外観のアイキャッチ。デザインにはTさん夫妻も参加した。

本物の素材にこだわり、ジュラ紀の天然石を全体に使用

建物の印象を決めるファサードについて、Tさん夫妻が重視したのは、内外の視線が干渉し合わないことと、都市の邸宅街の景観に溶け込む品格ある佇まい。担当者は石張りの外壁をメインに外構と一体化したデザインを提案しました。年月を重ねて味わいが増すことを目指して天然素材が吟味され、約2億~約1億4,500万年前のジュラ紀の石材が贅沢にほぼ全体に用いられました。夜は間接照明でその質感を効果的に見せています。「日常に緊張感やときめきを生み出すことを意識してデザインしましたが、夫妻には素材選びから深く関わっていただきました」と担当者。
ガレージの右手にある大きなアイアンの門扉は夫妻もデザインに携わった思い出のアイテム。アプローチへと視線が抜け、植栽で四季が感じられるようになっています。

▲約28帖・天井高4mの吹き抜けのリビング。右手にダイニングがある。窓の外に設けた大きなバルコニーと連続して見せることで広がり感をアップ。バルコニーは高い手すり壁で囲われ、外部の視線を気にせずくつろぐことができる。

▲天井を下げた落ち着いた雰囲気のダイニング。奥のリビングとつながり、窓の外のバルコニーへも視界が広がる。

▲隣家側のためスリット状の窓で採光を図った階段ホール。蹴込みのない階段とガラス手すりで開放感を増幅させる。

▲天然水晶を多く含むストーン板をポイント使いした洗面台。

ツーバイフォー+全館空調で50帖大の大空間も快適

1階にガレージと個室、2階にLDKと浴室・洗面室、地階にビリヤードルームとシアタールームを配したT邸。ツーバイフォー工法と全館空調を組み合わせることで1・2階は圧倒的な大空間と、快適な温熱環境の両方が実現しています。
玄関から視線が上下に抜けるスケルトン階段を上がった先にある2階には、50帖以上のオープンLDKが広がります。吹き抜けのリビングは天井高が4mもあり、南側の大きな窓とハイサイドライトからたくさんの光が注ぎます。窓の外には20帖以上の広いバルコニーが設けられ、内外があいまいにつながり、アウトドアリビングとして機能することで、さらなる空間の広がりが生まれています。
ビリヤードルームでは試合が開かれたり、プライベートシアターで親戚や友人との映画鑑賞パーティーが行われたりと大活躍。「屋外や1・2階の音が聞こえることもないため集中でき、逆にこちらの映画やビリヤードの音が漏れることもないので、思いきり楽しんでいます」とTさん夫妻は笑顔で話します。

▲リビングの南側に設けられたルーフバルコニー。家具にもこだわり、リゾート気分を味わえる空間となっている。

▲1階の主寝室。視線を遮りながら光と空の眺めを取り込むハイサイドライトが設置されている。

▲公式の試合もできる地下のビリヤードルーム。全館空調により空気環境も快適。奥が床高を1段上げたシアタールーム。

▲本格的な映像・音響設備のあるシアタールームは家族やゲストが集う憩いの場に。

スタッフからのメッセージ

住宅はお客様の人生そのもの明日への活力が湧く「住処(すみか)」に


三菱地所ホーム(株) 営業統括部
営業企画グループ長 兼
営業アカデミーグループ長
土屋 聰さん

今、住宅会社は「誰にとっても住みやすい」生活環境を供給する時代にあります。そして、それは街並みや都市景観の一部分として表情をもつ空間を創造することが大きな比重を占めています。「私」の空間も「公」と重なる表情があることを意識し、互いの建物、視線に重点を置いた設計計画を心がけなければなりません。
私は住宅営業として28年、お客様と共に歩んでまいりました。住宅はお客様の人生そのものであり、「住処」なのだということをいつも感じます。誰しもときには体調がすぐれない日、気分の乗らない日もあるはずです。「住処」は、そんな日であっても、住まうだけで元気になり、明日への活力が湧く場所であるべきだと考えています。
季節や時間によりさまざまに変化する空間の表情にハッとしたり、うっとりと見入ることも大切です。今後もお客様に活力(=元気)と潤いを与えられるような住宅をご提案できるように全力を尽くします。

DATA
東京都 T邸 2023年竣工
延床面積 396.85m2
設計・施工/三菱地所ホーム(株)
Vol.244 2025年新春号

(一社)日本ツーバイフォー建築協会会報誌「ツーバイフォー」転載記事