一般社団法人 日本ツーバイフォー建築協会

普通の窓を出窓に変更

窓は採光・通風以外に、室内外の雰囲気づくりにも貢献するアイテム。一般的な窓を出窓にするだけでもイメージチェンジが図れるので、リフォーム時に取り換えを希望されることも多いようです。

既製の出窓サッシにはデザイン、サイズともに種類が豊富にあるので、外観デザインや室内の雰囲気に合わせて選べます。また、現場施工の場合はオーダーメイドになるので、さらにデザインやサイズの自由度が高まります。

いずれの場合も、窓の大きさを変えないで出窓にするだけであれば構造的な問題はなく、工事も比較的容易です。

注意したいのは、雨じまいについて。既製の出窓サッシには、それぞれのメーカーごとに施工マニュアルがあるので、それに則って、既存の壁との取合部の雨じまいに注意して、丁寧な施工を心掛けてください。

90㎝以上の開口部には、必ず上部に補強材としてまぐさ(壁の開口部を補強するための横架材)を取り付ける必要があります。

古いサッシをハイサッシに変更

ひと昔前のサッシの高さは1間(約1・8m)が標準でしたが、現在では約2mのハイサッシが主流です。わずか20㎝の差ですが光の入る量は格段に違い、明るさも部屋の雰囲気も大きく変わります。サッシメーカーから高性能でデザイン性にも優れたサッシが数多くつくられており、出窓と同様に自由に選ぶことができます。

施工に関しては、出窓と同様、メーカーのマニュアルに忠実に行うことが基本ですが、開口部の高さを変える際には、まぐさの高さを変える必要が出てきます。

このシリーズの最初の回(本誌189号・2011年4月発行)でご紹介したように、ツーバイフォー工法には構造上のルールがあり、そのひとつに「90㎝以上の開口部には、必ず上部にまぐさを取り付ける」という項目があります。まぐさは壁の開口部を補強するために欠かせない要素であり、取り払うことはできません。したがって、ハイサッシを導入する際は、その高さに合わせてまぐさを高い位置に付け替える必要があります。

▲ハイサッシ (株)三協立山アルミ
▲ハイサッシ (株)三協立山アルミ
間仕切り壁の移動・撤去

壁の移動、撤去、新設などを、新たに複雑な構造計算をしなくても安全なプランを立てやすいのがツーバイフォー工法の利点のひとつです。

手がかりは新築時の構造図にあります。これを基に耐力壁線区画をつくることによって、どこが移動・撤去できる壁か、できない壁か、ということを容易に判断できます。

間仕切り壁は、構造に関わる壁ではないので、自在に取り外しが可能です。一方、耐力壁は基本的に撤去できませんが、全体の壁量が足りていれば、可能になります。ただし、撤去・移動の際は「壁線の4分の1以上の壁を残す(=耐力壁線上の開口の幅を壁の長さの4分の3以下にする)」ことと、「建物の隅角部には90㎝以上の壁を配する」というルールを守る必要があります。

どのような計画でも、基本的に建物の隅角部(出隅、入隅)には90㎝以上の壁をつくります。

耐力壁を移動し、耐力壁線上に開口部を設ける場合、開口部の幅はその耐力壁線の長さの4分の3以下とします。

以上のように、ツーバイフォー工法の建物は、基本のルールをきちんと守り、事前に図面等を入念にチェックしていけば、リフォームの可能性が大きく広がります。このことを念頭に、積極的にリフォーム事業に取り組んでいただきたいと思います。

間仕切り壁の変更で、若いご夫妻の暮らしに合った空間が実現

もともと二世帯住宅として建てられたこのお住まい。玄関も階段も2カ所にある完全分離スタイルを継承しつつ、新たに住まわれることになった若いご夫妻の暮らしぶりに合わせてリフォームが計画されました。

ご夫妻の要望は、まだ幼いお子さん2人が元気にのびのびと過ごせる家にすること。特に奥さまは、食事の支度をしている間もお子さんに目が届くように、対面式キッチンにすることを切望されていました。

そこで、以前は和室だった場所にキッチンを新設し、対面式キッチンの前をプレイルームに。和室と洋室との間にあった2つの壁は、廊下側は耐力壁、窓側は間仕切り壁であることを図面で確認。耐力壁は残し、間仕切り壁を撤去することで、広がりのある空間を実現しています。リビング・ダイニングからもプレイルームが見渡せるので、お子さんたちを遊ばせながらゆっくりと食事ができます。

▲新設された対面式キッチン。目の前にプレイルームがありお子さんたちを安心して遊ばせることができる
▲キッチンは充実した収納により、すっきりとした佇まい
▲キッチンに続くリビング・ダイニング。ここからもプレイルームが見渡せる

階段脇のトイレを広くして、玄関横にあったトイレは撤去。その分、浴室と洗面脱衣室にゆとりが生まれました。いずれも間仕切り壁であることを確認済みだったので、自由にレイアウトを変えることができました。

問題は、水回りの新設・移動に伴う給排水管の新設。他の住宅メーカーで建てられた建物でしたが、床下に人が潜り込んで配管できるだけの開口があり、滞りなく作業が行えたとのこと。

「ツーバイフォー工法はオープン化された工法で、基本的に構造に変わりがなく、ルールに則って建てられた建物であれば、新築時に施工した会社でなくても容易にリフォームに対応できることを実感した」と担当者は語っています。