一般社団法人 日本ツーバイフォー建築協会

工法技術

ツーバイフォー住宅 リフォームの「おはなし」

ホームコンサルテック奏 星野 裕之

はじめに

かつてバブルに向かう経済の拡大期に、私たちは一戸建て住宅にあこがれて多くの方が競うように高品質な建物での生活を求めて住まいを建てました。そしてツーバイフォー工法の住宅もその有力な選択肢として選ばれ続けて成長してきました。 今、住宅の新築着工が最盛期の半分以下に減少している中にあっても、ツーバイフォーはそのシェアを唯一伸ばしています。 ツーバイフォー住宅と新設着工推移 グラフの最新版はこちら    その理由の一つはシェアが大きく向上するきっかけともなった、阪神淡路大震災で確かなものとして確認された高い耐震性能に代表される「建物品質」です。 ITのもたらした産業の構造変化や人々の価値観のドラスティックな変化の最中、同時に私たち日本は世界的に類の無い高齢化社会に入り、ライフステージ・ライフスタイルから働き方までが変わる中、住まいを求める方の住まいへの考え方も大きく変わりました。 ここでは現在ツーバイフォー住宅にお住まいの方、これから購入や新築をお考えの方向けに住まいをリフォームして住み継ぐ観点から、「ツーバイフォー工法」の持つ優れた特徴や有効なリフォームの方法をシリーズ6回に分けて「おはなし」致します。

【第1回】リフォームして住まうツーバイフォー住宅の価値

かつて住宅の価格は建てた直後に3割下がり、10年で半減、20年でゼロと言われ実際に家を売却しようとすると「古屋付き」というお荷物になる始末でした。  日本の家は30年未満で取り壊されると言われ、アメリカの44年、イギリスの75年と比較されることがありましたが これは20年以上前の話で、実際に壊された家の平均築年調査の比較でも本当の家の耐用年数とはだいぶ違いました。  建物の耐用年数を算定するにはいくつかの考え方がありますが、直近の試算では木造建物の平均寿命としては65年前後と言われています。現在はこれをさらに伸ばすための仕様や様々なメンテナンスの仕組みと共に、建物自体は既に建っているものであっても



90年~100年ほどは基本的な価値を維持できると考えられています。


これも建物自体の劣化による寿命ではなく、住まい手の都合や意思によって決まっている寿命で構造体としての木造は200年近くまで現実的に使い続けることが可能と言われています。  また以下のとおり、アメリカでの中古住宅流通価値を決定する際のメンテナンス・リフォームを繰り返し行った時の建物の価値減価をイメージした参考資料が、国土交通省の平成25年発表のデータで紹介されています。

日本では平均寿命65年でさえ実感が伴わないのに、ここでは65年目になんと水周りなどを一新して築10年前後の価値まで回復し、140年頃に躯体を含む修復するとまた戻るとイメージされています。
 そして最後は築155年頃には都市計画の変化等で減価し、社会的な寿命で終わるとされていて最後まで「朽ち果てる」とは考えていないのが判ります。北米では住宅取得の90%が中古住宅ですが、その売買されている建物の平均築年数は55年との調査もあり、実際にメンテナンス&リフォームで住まい続けられています。
 そしてその建物のほとんどが『ツーバイフォー工法』の木造住宅です。
 平成を経て令和の時代を迎えましたが、現在建っているツーバイフォー工法の住宅は日本で建てられるようになって日が浅く、築40年以下で実はとても”若い”建物がほとんどなのです。
 「日本は高温多湿で木造の寿命は短く、ましてや北米の工法は適していないので…」とは今でもまだ耳にする意見です。確かにツーバイフォーは普及し始めた45年前から他のどの工法に比べても高気密で高断熱でした。裏を返せば建物に入った湿気や水は乾きにくく、木材を腐朽させやすくなり白蟻の被害を呼ぶ原因ともなります。
 この事が「ツーバイフォーは長持ちしない」とイメージする根拠でしたが、その後どの工法も高気密高断熱化が進んで、現在は在来木造であっても正しく施工されていればその差はほとんどないほどに改善されました。北米では北のアラスカから南のフロリダまで、住まいはほぼツーバイフォー工法で建てられています。概して本来木造の建物としては寿命に工法の差も立地の差もありません。



ではなぜ北米でツーバイフォーは長く住み継がれているのでしょうか。住まいの寿命は建物の劣化ではなく住まい手の意思や都合で決まるからです。
  35年も前にカナダとアメリカの住宅建設地をめぐる機会があった時の事、作り手だけでなく、建て主が新築する時から100年以上持つことを意識して住宅を作るシステムがある事に驚きと強い感銘を受けました。
 ですが、ツーバイフォー住宅の長寿を実際に可能にしているのは実は「ツーバイフォー」という工法そのものにあります。

 北米であろうと日本であろうと使われるツーバイフォー材は同じ寸法同じ規格です。これは第2次大戦後に一度材料規格が変わって以来70年以上も変わっていませんし、その工法の技術基準も日本国内であっても基本がほとんど変わっていません。

ではなぜ北米でツーバイフォーは長く住み継がれているのでしょうか。住まいの寿命は建物の劣化ではなく住まい手の意思や都合で決まるからです。
  35年も前にカナダとアメリカの住宅建設地をめぐる機会があった時の事、作り手だけでなく、建て主が新築する時から100年以上持つことを意識して住宅を作るシステムがある事に驚きと強い感銘を受けました。
 ですが、ツーバイフォー住宅の長寿を実際に可能にしているのは実は「ツーバイフォー」という工法そのものにあります。

 北米であろうと日本であろうと使われるツーバイフォー材は同じ寸法同じ規格です。これは第2次大戦後に一度材料規格が変わって以来70年以上も変わっていませんし、その工法の技術基準も日本国内であっても基本がほとんど変わっていません。

ホームコンサルテック奏  星野 裕之
三井ホーム㈱でリフォーム部門の技術総括を務め、独立したのちは主にリフォーム設計事務所の技術アドバイスや技術者向けリフォーム研修の講師として全国で既存住宅の設計・施工者の育成支援を行う。